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相談室だより Vol.11「患 者 の 立 場 に 立 つ、ということ」

「カウンセラー(臨床心理士)松本よし子」

 大腸がんの新しい検査法「3D-CT」を受けました。
一度、大腸内視鏡検査で猛烈な痛みを経験してから、年齢的にも大腸がん検診の重要性を感じながらも、私は怖くて受けることができなくなっていましたが、「3D-CT」が、負担の少ない検査法と知り受けてみることにしたのです。
 確かに内視鏡検査に比べ苦痛も少なく、何とか無事に終えることができましたが、むしろ、その時、担当してくれた検査技師の丁寧な説明と対応が印象的でした。彼は、検査の仕組みを説明した後、どのような痛みがどのようなタイミングで起こるのか、また、個人差があるので、何かあればいつでも聞いてくれてよいこと、そして、緊張して言葉少なになっている私に、何度も「大丈夫ですか?」と気遣ってくれました。
 数年前、私はずっと気になっていた大腸がん検診を、初めて勇気を出して受けることにしました。しかし、近医から紹介された胃腸専門クリニックでの内視鏡検査当日、お腹が裂けるのではないかと思う程の痛みと恐怖に、私は“阿鼻叫喚”の中にいました。
 その日、肛門から管を入れるという誰もが望みたくはないであろう手技に、私は、とても緊張していたものの、痛みについては、あまり気にはしていなかったのです。
 看護師がしてくれる準備が終わり、やがて医師が現れ、内視鏡の管を操作しているようでしたが、一向に検査が始まりません。医師と看護師で、何か不都合が起こったらしいことを話しているようでしたが、私には全く意味が分からず、医師は何かを指示してその場からいなくなりました。数分間、私は“何かよくないことがあったのかな?”と、じわじわと膨らむ不安に耐え、やっと戻ってきた医師により、いよいよ検査が開始されたのです!
 今になれば、検査前に一通りの説明を受けたはずとは思うのですが、ほとんど記憶にありません。「腸の曲がり角のところで痛みがくる」というのも、検査の最中に、初めて聞いたように思います。 もしかしたら、私が感じていた不安や恐怖への適切な説明をしてもらえなかったことが、痛みを増幅させてしまったのかもしれません。
あまりの苦痛に、検査は、途中で止めることになってしまいました。

 かなり昔に、ある“傲慢な外科医”が主人公の映画を観たことがあります。
 手術の腕は完璧で、医者として絶対の自信を持っていた、その彼が病気になり、今度は、患者の立場で病院内を連れ回され医療者の不用意な言動にさらされることになります。 
 それまで経験したことのない不安を味わった彼は、自分がいかに患者を“もの”としてしか見ていなかったことに気づかされるのです。
 命を預かる厳しい医療現場では、感情に流されず、いつも冷静であることが求められます。しかし、医療者が対面しているのは“もの”ではなく、感情をもった“生きもの”であることを、時々思いおこすことが大事なのでしょう。 そして、それを、冷静に!