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相談室だより Vol.4「 答 」

「カウンセラー(臨床心理士)松本よし子」

 昔、まだ若く、カウンセラーとしては駆け出しだったころ、私は、あるケースにとても悩まされていました。
 それまでに学んだどの枠組みにも当てはまらないクライエントの言動・症状の数々に、カウンセラーとして戸惑い、不安で不安で仕方がなかったのだと思います。
 ある研究会でこのケースを検討してもらった私は「診断的にはどういう人なのでしょうか?」と問いかけ、スーパーバイザーの先生から「これは非定型精神病ですね」との答を得て、「あ~、そうだったのか!それでこんなことになっていたのか!」と、すっかり疑問が解けた気がしてすっきりすることができました。
 ところが後日、先輩から「それで、何が分かったというわけ?」と言われ、目が覚めました。答が出て、分かった気になっていた私は、実は何も手に入れてはいなかったのです。そのクライエントの言動をどう受け止め、どう理解し、どう共に考えていくことができるのか…、診断名を教えてもらっただけで解決したわけではないことに、その時はっきりと気づかされました。
 人は誰でも、答の出ない訳の分からない状態に身をおくことが苦手です。一刻も早くこの状態から逃れたいと安易な道に飛びついてしまいます。なお少し、踏ん張って考え続けること、悩み続けること。特に医療従事者にはこの姿勢が求められるのでしょう。
 そのためには、仕事仲間同士、安心して、本音を一緒に話し合える環境が何よりも必要です。その、厳しくも暖かい環境を作るために、一人一人の努力が必要です。