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相談室だより Vol.7「 所 与 」

「カウンセラー(臨床心理士)松本よし子」

 学生のころ、障害児のプレイセラピィーが専門の先生が「所与」という言葉を引用して、「すでに起こってしまっていることをとやかく言っても仕方ない、それはそれとして、
 これからどうしていくかを考えんと」と、よく言われていました。
 「所与」とは、与えられるもの 与えられること という意味ですが、
 私たちが生きていれば、必ず、不平等なこと 不条理なこと に出会わされます。
 生まれてきた我が子の障害を前に、その事態を受け入れるには、落胆と不安と怒りの日々を費やさねばならないことでしょう。 また、雷にうたれたり、地震にあったりすれば、人は「この私が、なぜ、こんな目に!!」と、運命を恨まずにはおれなくなるでしょう。
 でも、雷に「なんで私の所へ落ちたの!」と文句を言いに行くわけにもいきません。
私たちは仕方なく起こったことは起こったこととしてあきらめ受け入れるしかないのです。
 しかし、‘人災’だと思えることにはそうはいきません。あきらめることはなお難しく、その怨みのエネルギーは、自分自身や周りを傷つけ暴れまくってしまうこともあります。
 センターで働く皆さんには、毎日、「なんでこんなことが!」と、心傷む出来事に出会われ、時には患者のこうした‘向ける相手のいない怒り’の対象にされてしまうこともあるでしょう。 また、過酷な状況に、医療機関で働く者として無力感にさいなまれることもあるのかもしれません。
 不運を労わり助け合いできるだけのことをしていく、人としての‘誇り’を
失わないように…、この「所与」という言葉に、私はうつくしい響きを感じるのです。