![]()
![]()
ひかり診療所長 長尾 光
医学が細分化され、人間の臓器や組織が分解分析されて、ミクロそしてナノの世界にはいろうとしています。科学は分析することが手段ですが、臨床医学は統合されなければなりません。医学は分析されすぎて、統合が遅れています。
真の医療とは、より負担の少ない簡単な検査で診断でき、より侵襲の少ない手術や副作用のより少ない薬で治療できることだと考えます。
しかしながら、まだまだ自然の“物”としての人間の体は、科学には征服されていません。すなわち、科学は医学の必要条件であるが、十分条件ではありません。
最近、EBM(evidence based medicine)が重視され、ガイドラインが盛んに作成され、一見、科学的にはなってきましたが、病院では、クリティカルパス、包括医療(DRG/PPS)など、経済効率が求められ、人間が、病院というオートメーション工場の自動車のような“物”として、考えられていませんでしょうか。こういう環境のなかで医師と患者の間で、不信感が生まれ、性悪説であるアメリカ型の契約社会で使われているインフォームドコンセントが本来の意味を失い、形式的になり、セカンドオピニオンが誤用されるようになってきています。
また一方、書類とか雑務が増加し、経済効率が求められる為に、医療者にゆとりがなくなり、医療事故が増え、危機管理が叫ばれる時代になってきました。科学と経済と政治がミスマッチを起こしているのが、日本の医療の現状だと思います。
こういう時代のなかで、たいせつなのは、患者さん中心に、医療者が暖かい“こころ”をもって、オートメーション医療ではなく、ハンドメイド医療を行っていくことではないでしょうか。これを現在実現できるのが、プライマリケアの場である診療所であり、診療所こそ、科学をベースにして、医学の芸術性を発揮する場所だと考えます。
地域で(Accessibility)
小児から老人まで(Comprehensiveness)
住民と協調して(Coordination)
ゆりかごから墓場まで(Continuity)
責任をもって(Accountability)
(日本プライマリ・ケア学会: プライマリ・ケアの5つの理念より)



施設概要
大阪府三島救急救急センター